沖縄・福島・ベトナムの心がひとつに溶け込んだ友好の旅

沖縄・福島・ベトナムの心が一つに溶け込んだ友好の旅

仲程 桂一郎

初めてとは思えないベトナム。異国ではあるが本土より身近に感じた「ベトナム平和ツアー」であった。心に残った事柄を順に記してみる。

ハノイ民俗資料館で50余りの民族でベトナムが成り立っていることがわかった。そこに住んでいる人々の生活様式も様々であるが、特に関心を持ったのは沖縄と同じように仏壇みたいなものを設置して祖先を崇拝している民族が存在していることがわかった。私の心は感激でいっぱいになった。絶対そこを訪ねて沖縄の祖先崇拝のルーツを追究しようと私の心は躍った。

仏壇

最上にある筒の中にはご先祖様の名前を記してあるそうだ。

農村との交流会は小さい頃の沖縄を思い出させた。バスを降りて川沿いに沿って歩いて一軒の農家に入っていくと家畜小屋があり、川の流れを利用してため池にして魚や水鳥を養い、母屋の裏手には田んぼが広がり、都会慣れしている人間にとっては衛生面で違和感を感じるところもあるが、私はそこに桃源郷を見た思いがした。中庭で交流が始まると自家製のご馳走が次から次へと運ばれて、私たちは感謝、感激でご馳走になった。また、自家製のお酒もあり男どもは顔を赤らめる御仁もおれば、話は通じないが顔の表情や身振り手振りで心と心を通わせる。しかも飲むときはオール乾杯でコップに注がれたのを飲みほさないといけない。最初は良かったが杯を重ねていくうちに、酔いがまわり始めてきた。食事は沖縄流に「かめーかめー」攻めである。みんな心が一つになったところで「カチャー シー」で名残り惜しんでお別れをする。沖縄の「カチャーシー」は福島、ベトナムどこでも通用する「平和」の踊りと再確認させられた。

農家と沖縄組

赤ら顔も見られる男性陣

各国友好協会連合会での「東日本大震災報告会」では団長の安田純治氏が「義捐金に対するお礼」と「原発事故と原発を巡る現状報告」があった。原子力発電所を容認し建設するベトナムの方々が原発事故の恐ろしさを理解しベトナム当局に伝わっていくことを願った。

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    各国友好協会連合会で報告する安田純治団長

カンザーの大マングローブ林では展望台から四方八方を見渡すと地平線が見えないほど緑の大マングローブ林である。米軍の枯葉剤や爆撃で生物も生きられなかった地を見事に再生させたベトナムの人々の逞しさを感じられずにはいられなかった。

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左から後藤勝彦さん、寺本千名夫さん、ベトナム美人の方とパチリ

ホーチミン市越日友好協会との交換会では拷問で容姿が変形した女性元兵士、語り部として頑張っており、勇気づけられた。男性元兵士のギター演奏での「ベトナム自由行進曲」の合唱、橘氏の尺八演奏、沖縄組の「芭蕉布」の合唱で全員の心は一つになった。

ツーズー病院平和村では枯葉剤の影響でこの世に生を受けなかった奇形をした胎児の標本、目を覆いたくなるような標本の数々、しかも年代が三世代に及んでいること、枯葉剤の影響を受け、平和村で生活している方々、更にこれからも増え続ける現実、人体への影響を認めないアメリカ。この戦争の非道な現状を全世界に訴えていくことを心に誓った。

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ツーズー病院平和村で楽しく過ごす枯葉剤後遺症の皆さん

最後に今回のツアーで特に感じたのはタイトルに表したように「平和の心」を歌を歌うことで感じたことである。歌唱指導して頂いた比嘉悦子さんに感謝いたします。

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カチャーシーで心ひとつに・・・・カチャーシーは世界の宝