『べトナムは今!』No.31 『ニュース解説』

『べ トナムは今!』No.31 『ニュース解説』

新年あけましておめでとうございます。2010年第1号(通巻31号)は、久し振りの『ニュース解説』です。

ベトナムにとっても激動であった2009年が暮れ、心機一転輝かしい未来へと続くべき新年が明けた。まず、昨年2009年を地元報道機関の「2009年ベトナム経済10大ニュース」(本欄でおなじみのFUJUNET-ベトナムにおける日本語環境コンピューター&情報サービス E-mail:phong-nd@vnn.vnの『ベトナムニュース』2009年12月28日号「今年の経済社会に於ける10要点」)から紹介しよう。

第1位 ベトナムが早く経済不況から切り抜けた

第2位 コメ輸出量が過去最高を記録した

第3位 ODA(政府開発援助)約束額は過去最高の80億ドル以上

第4位 金融市場と外貨市場が大幅に変動した

第5位 多くの噂により影響が出た

第6位 多くの景気刺激案件を実施した

第7位 不動産市場が大幅に回復した

第8位 台風2個は中部、タイグエン高原地帯と南中部に深刻な損害を与えた

第9位 人口増加率が過去50年間で最低になった

第10位 教育法改正案が可決された

である。

まず、2008年前半のインフレーション、後半からの世界経済危機の影響から大幅な落ち込みが懸念された2009年のベトナム経済であったが、本欄でもその経緯を追っていったように、政府の金融緩和策や金利補助策などの適切で柔軟な景気刺激策によって、2009年中盤から国内消費を牽引車として急速に経済不況を切り抜けたことにより、年率5.2%のGDP成長率を記録したことは、一部の国を除いてマイナス成長を記録したアジア諸国のなかで出色であったといえよう。そのなかでも、コメの輸出量が対前年比30.4%増の600万t余と過去最高であったことは流石であるが、生産コストを下回る販売コストから農家の利益は保障されなかった。

また、依然として根強いベトナムへの期待から、ベトナム支援国会合(CG-2009)において国際機関と支援国の2010年のODA資金供与約束額は80億6300万ドルに達し、19993年のODA再開後最高を記録したのは2010年以降への前進へ期待させるものであった。また、経済不況にもかかわらず、中堅所得者を中心に住宅需要は急増した。

その一方で、2009年末数カ月など外貨市場が変動し、ドン・ドル相場や株式市場、金価格の激動などがあり、また、風評による米価の急上昇も含め、国民生活にも小さからぬ影響

を与えた。

また、台風9・11号の上陸などで、2009年の台風・洪水被害は最近10年間で最大となり、またこの10年間の台風・洪水被害はベトナム総人口の80~90%に及ぶという。

こうして、経済危機で始まった2009年のベトナムは、台風・洪水を経て、外貨市場の変動のなかで年を越した。

明けて2010年、経済危機を各国に先駆けて克服し、2009年末の国会への政府報告でも年率5.2%のGDP成長率が予測されているベトナムであるが、この新しい年はベトナムにとって記念すべき年になりそうである。

ハノイ開闢1000周年の2010年は、ベトナム共産党創立80周年、南部解放35周年、故ホーチミン主席生誕120周年、8月革命65周年、独立・建国65周年に当たる。そのうえ、現行の経済社会発展5ヵ年計画と10ヵ年戦略の最終年であり、2011年1月の第11回ベトナム共産党大会と時期5カ年計画、10カ年戦略の準備年でもある。

私ども沖縄・ベトナム友好協会創立20周年でもあるこの2010年、ベトナムはどのような新しい第一歩を踏み出すのか、大きな期待をもって注視したい。

この欄は原則として、

毎週1回は、ベトナム・日本のベトナム関連情報の見出しを

毎月1回は、ベトナム経済解説(担当 鎌田 隆)

お送りしております。見出し記事の詳細は、(協)日越交流センター

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